いつか挑戦してみたい!?各地の難コース10選
スキーやスノボを始めた頃は、誰もがただ上手に滑ることだけを目的に努力を続けることができます。
ですが、失敗が少なくなり、コースの選択肢が広がってくると、次第にやる気を引き出しにくくなってしまうかもしれません。
そんな時は、「超上級者向け」と言われるような難コースを新たな目標にしてみてはいかがでしょう。
幅の狭さや凍結のしやすさ、変化の大きさなど、コースの難易度は様々な要素で決まります。
今回は、その中から比較しやすい「傾斜の強さ」に注目し、首都圏から利用できるスキー場の難コースをまとめました。
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いろんなスキー場に通ったから、だいぶコツがつかめてきたよ。今なら、どんなコースでも滑れちゃいそう!
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えぇっ……!? それはちょっと、油断しすぎじゃない?
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うん、自信を持つのはいいことだけど、まるちゃんのそれは油断っぽいね。本当に難しいコースのことを知ったら、そんなことは言えないと思うな
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アハハ、ベルくんは大げさだなぁ。どうせ大したことないと思うけど、せっかくだから教えてよ!
- INDEX
- 1. 満足し始めた時に目を向けたい「難コース」
- 2. 難コースの探し方
- 3. 斜度で見る各地の難コース
- 3-1. オリオン 最大斜度45度 (神立スノーリゾート)
- 3-2. 大沢回転バーン 最大斜度42度 (猪苗代スキー場)
- 3-3. 稗田山コース2 最大斜度42度 (白馬コルチナスキー場)
- 3-4. イーグル 最大斜度40度 (群馬みなかみ ほうだいぎスキー場)
- 3-5. チャレンジ39度のカベ 最大斜度39度 (野沢温泉スキー場)
- 3-6. 横倉ゲレンデ(横倉のカベ) 最大斜度38度 蔵王温泉スキー場
- 3-7. 大別当チャンピオンコース 最大斜度38度 上越国際スキー場
- 3-8. スーパージャイアントコース 最大斜度38度 妙高杉ノ原スキー場
- 3-9. 展望コース 最大斜度37度 白馬八方尾根スキー場
- 3-10. 木落しコース 最大斜度36度 竜王スキーパーク
- 4. 他のスキー場の最大斜度は?
満足し始めた時に目を向けたい「難コース」
一般的なスキー場のコースは、初級・中級・上級・超上級といったレベルに分けられています。
(※今回は自己責任で滑走可能な特殊なエリアについては考えません)
どのスポーツでも言えることですが、誰もがトップレベルを目指すわけではありません。そのため、中級コースで問題なく滑れるようになった辺りでスキーやスノボに対する達成感や満足感が出始めてしまうのは、ごく当たり前のことです。
もちろん、「そこからはマイペースに滑る」というのも一つの考え方です。しかし、「もうすこしできそう」と「もういいかな」という二つの気持ちの間で揺れているなら、「人並みに滑る」以上の、簡単には達成できないような目標を設定すると良いでしょう。
具体的には、各地のスキー場で「最難関」「自信のある上級者限定」と言われるような、非常に難易度の高いコースへの挑戦です。
これはあくまでも最終的な目標ですから、実力が身につく前に急いで挑戦する必要はありません。たとえ実際に滑らなかったとしても、「いつか、あのコースで滑れるようにがんばろう」と自分を励ますことができれば、それで十分です。
難コースの探し方
新たな目標にできそうな難コースを探す際に困るのは、あるコースを「難しい」と感じる理由が人それぞれ違うということです。
「狭いコースは苦手だが、急傾斜は得意」「足元が不安定なコースは集中しきれない」「長いコースでは緊張が途切れがち」といった個人の向き不向きによって、同じコースでも「それほど難しくない」「難しすぎる」と評価は変わります。
さらに、コース幅という要素一つだけを見ても、「途中で猛烈に狭くなっている部分がある」「いくつかの重要な部分だけが他よりもやや狭い」「全体的に狭く、緊張し続けなくてはいけない」と、いろいろなパターンが考えられますし、コースの変化・起伏や足元の安定感についても同じことが言えます。
こうしたことをすべて考えながら多くのスキー場の上級コースを見ていくのは、現実的ではありません。
そのため、ここではまず「最大斜度」と「平均斜度」に注目することをおすすめします。
最大斜度や平均斜度にも「最大の傾斜がどれぐらい続くのか?」「起伏が激しいのか、コース全体の傾斜が強いのか?」などがわからないという問題はありますが、ほとんどのスキー場で数値が公開されていますから、比較が簡単にできます。
(※コース幅やコブの有無、コースの造りなどの情報はわからないことも少なくありません)
また、角度というのは身近なものですから、「数値から実際の状態をイメージしやすい」というメリットもあります。
最初に最大斜度と平均斜度でざっくりと上級コースを絞り込み、それから気になるコースについて詳しく調べるようにすれば、時間を節約できるはずです。
斜度で見る各地の難コース
今回、調査の対象としたのは首都圏から訪れやすい場所にあるスキー場です。
その中でも人気の高いスキー場を中心に、最大斜度に驚かされるコースを厳選しました。
斜度以外の要素も頭の片隅に置きつつ、ご覧ください。
オリオン 最大斜度45度 (神立スノーリゾート)
「オリオン」の最大斜度はなんと45度。誰もが目にしたことのある三角定規の、あの角度です。横から見る45度と、見下ろす形で体験する45度は大違い。ヒヤリではすまない緊張感が、あなたを襲います。
「神立(かんだつ)スノーリゾート」の上級コースには、最大斜度40度の「ヘラクレス」や最大斜度38度の「スーパーアンタレス」といったコースもあります。45度に比べるとインパクトは薄れますが、どちらも初級~中級者向けのスキー場ではまず見られないような数値です。オリオンの前の肩慣らしと言うには少々レベルが高い、こちらも挑戦しがいのある難コースと言えるでしょう。
大沢回転バーン 最大斜度42度 (猪苗代スキー場)
「猪苗代(いなわしろ)スキー場」は初級コースと中級コースが豊富なスキー場で、上級コースの数は全18本中3本と控えめです。しかし、その3本の最大斜度は34・34・42度とかなりの辛口。最大斜度42度の「大沢回転バーン」は、平均斜度も35度という厳しさです。
最大斜度34度・平均斜度19度の「赤埴(あかはに)大回転コース」もコブ斜面で、こちらも上級者からの評価が高い難コースです。
「緩めの上級コース」が欲しい時には、最大斜度が30度の「天の庭コース」や27度の「お馬返しゲレンデ」といった、難易度が高めの中級コースを利用できます。
稗田山コース2 最大斜度42度 (白馬コルチナスキー場)
「白馬コルチナスキー場」の「稗田山(ひえだやま)コース2」は最大斜度42度・平均斜度36度のコースです。隣りにある同じような名前の「稗田山コース」や「稗田山林間コース」は中級者向けのまったく別のコースであることにご注意ください。
稗田山の山頂付近からスタートするコースを覆うのは、海外にもその名を知られる長野県・白馬エリアの粉雪です。その感触の良さを存分に味わえるのか、それどころではなくなってしまうのか。あなたの実力が試されます。
このコースは幅200mの緩やかな「池の田ゲレンデ」につながり、「ホテルグリーンプラザ白馬」前のスペースで大部分のコースと合流します。
イーグル 最大斜度40度 (群馬みなかみ ほうだいぎスキー場)
「イーグル」は40度の急斜面を持つ、平均斜度25度のコースです。場内の上部にあるため雪質が良く、非圧雪の部分ではサラサラの雪をそのまま体験できます。高度な技術が要求されますが、上達すれば粉雪の感触を楽しみながら華麗に滑ることができるでしょう。
このイーグルがあるのは、群馬県水上(みなかみ)エリアの「ほうだいぎスキー場(※旧表記は宝台樹スキー場)」です。最大斜度と平均斜度が共に5度という初級者向けから、最大斜度が30度を超える複数の上級者向けまで全16本のコースがバランス良く配置されています。イーグルより多少難易度が低いコースを選び、手近な目標とするのもアリでしょう。
チャレンジ39度のカベ 最大斜度39度 (野沢温泉スキー場)
最長連続滑走距離が10,000mという大規模なスキー場「野沢温泉スキー場」の難コースは、最大斜度39度の「チャレンジ39度のカベ」。たとえば「スカイラインコース」のような通常のコースとは明らかに違う、特別な名前になっています。
場内にはもう一つ、日影ゲレンデの「日影のカベ」もありますが、野沢のカベとして有名なのは、やはり39度のカベです。数字だけを見れば40度という大台にわずかに届かないものの、実際にその場に行った時の緊張感は40度級のコースに勝るとも劣りません。「のんびりすごせる温泉地のスキー場」というイメージを、良い意味で裏切ってくれます。
横倉ゲレンデ(横倉のカベ) 最大斜度38度 蔵王温泉スキー場
蔵王連峰の山形県側にある「蔵王温泉スキー場」を代表する難所は、「横倉ゲレンデ」上部の「横倉のカベ」と呼ばれる部分です。
ゲレンデ下部は緩やかで滑りやすいのですが、横倉のカベの辺りは大部分が30度ほどの傾斜になっています。距離は約300mと短いものの、初級者はもちろん、中級コースを滑り慣れている方でも避けたいポイントです。
そのため、コブと戦いながらカベを乗り切るには、最後まで揺らがない心の強さも必要になります。見事に滑りきれば、幻想的な樹氷と共に、蔵王温泉スキー場での大切な思い出として刻まれるでしょう。
大別当チャンピオンコース 最大斜度38度 上越国際スキー場
「大別当(おおべっとう)チャンピオンコース」は、圧倒的な規模を誇る「上越国際スキー場」の中で最も難しいとされるコースです。38度という最大斜度をベースに、コブや非圧雪の部分が加わることで難易度は大幅にアップ。経験の長い上級者でも油断のできないコースになっています。
「上国の壁」という通称は、まるで壁のように見える傾斜の厳しさを示すものですが、上越国際スキー場に挑む上級者の前に立ちふさがる高い壁と考えることもできます。
このコースは拠点となるゲレンデ内の「ホテルグリーンプラザ上越」から比較的近いため、巨大なスキー場ならではの場内移動の負担も少なめです。
スーパージャイアントコース 最大斜度38度 妙高杉ノ原スキー場
「妙高杉ノ原スキー場」は、最上部と最下部の標高差が1,100m以上もあるスキー場です。この高低差を活かすように、場内のコースは上から下へと素直に配置され、分かれる滝のように複数のルートを作り上げています。その始点の一つが最大斜度38度・平均斜度17度の「スーパージャイアントコース」です。
8,500mの連続滑走を実現するためには、同じく最上部から始まる中級コース「しゃくなげコース」からスタートする必要がありますが、スーパージャイアントコースからでも十分な距離を滑ることができます。
このコースを切り抜けた後に始まる絶景ロングクルーズは、最高のご褒美です。
展望コース 最大斜度37度 白馬八方尾根スキー場
「白馬八方尾根スキー場」は、全体的な難易度の高さで知られる中~上級者向けスキー場です。中級コースですら最大斜度30度や32度といったコースが登場するため、一般的なスキー場と同じ感覚で挑むと驚かされます。
最大斜度37度の「展望コース」は、その名が示すようにゲレンデ上部の眺めが良い場所にあります。たっぷりと景色を堪能し、いざスタート。平均斜度も30度ですから、最後までまったく気が抜けません。
地域が偏りすぎるため今回は紹介を見送りましたが、白馬エリアにはこの他にも最大斜度35~38度のコースを持つスキー場が多数あります。
木落しコース 最大斜度36度 竜王スキーパーク
「竜王スキーパーク」は、上部のスカイランドエリアと下部のバレーエリアの間を複数の「木落しコース(b・c・e)」が結ぶ構造になっています。
木落しコースはすべて上級者向けですから、ここを滑ることができなければ、スカイランドからバレー側への移動はロープウェイに頼ることになります。逆に言えば、木落しコースを滑る腕があれば、竜王スキーパークを上から下まで滑り尽くすことができるわけです。
しかし、最大斜度が36度ときつく、長いものは1,300mを超える木落しコースはかなりの難関。上部から6,000mの連続滑走を行うためのハードルは高く、それだけにやりがいがあります。
他のスキー場の最大斜度は?
最後に参考として、その他の主なスキー場の「最も斜度が大きいコース」をまとめた表をご用意しました。
ざっと眺めるだけでも、「全体的に緩やかなスキー場を除けば、最大斜度が30度以上のコースを持つスキー場が多い」「最大斜度35度以上のコースがあるスキー場も決して少なくはない」といったことがわかります。
スキー場名 | 最大斜度 | コース名 | 備考 |
---|---|---|---|
ホワイトワールド尾瀬岩鞍 | 40度 | エキスパート上 | 平均斜度も40度。 |
志賀高原マウンテンリゾート | 39度 | A5ヤケビウォール(焼額山スキー場) | 複数のスキー場で構成された大規模スノーリゾート。 |
苗場スキー場 | 39度 | スプラッシュ・ボウル A2 | 以前の表記は45度。限定開放。 |
白馬乗鞍温泉スキー場 | 38度 | スカイビューゲレンデ | |
HAKUBAVALLEY 鹿島槍スキー場 | 38度 | コース5-C | |
車山高原SKYPARKスキー場 | 38度 | スポーツマンコース | |
NASPAスキーガーデン | 38度 | Dコース | |
斑尾高原スキー場 | 37度 | リバーライン | |
菅平高原スノーリゾート | 36度 | オオマツチャレンジコース | |
白馬さのさかスキー場 | 36度 | ニューパラダイスゲレンデ | |
岩原スキー場 | 35度 | ジャイアントコース | |
栂池高原スキー場 | 35度 | チャンピオンゲレンデ | |
白馬岩岳スノーフィールド | 35度 | DANGAN | |
エイブル白馬五竜&Hakuba47 | 35度 | チャンピオンエキスパートコース(エイブル白馬五竜) | Hakuba47側は最大斜度32度の「R-3」 |
戸狩温泉スキー場 | 34度 | ラビットコース | |
水上高原スキーリゾート | 34度 | ももんがコース | |
川場スキー場 | 34度 | 無名峰トライアル | |
星野リゾート アルツ磐梯 | 33度 | ブラックバレー5 | |
グランデコスノーリゾート | 33度 | センター33 | |
よませ温泉スキー場&X-JAM高井富士 | 33度 | チャンピオン(よませ) | X-JAM側は最大斜度28度の「フリーウォール」。 |
GALA湯沢スキー場 | 33度 | スーパースワン | |
石打丸山スキー場 | 32度 | デビルダウンコース | 最大斜度が同じ「ジャイアントコースは平均斜度が13度と緩め。 |
キューピットバレイ | 32度 | マリオネット | |
オグナほたかスキー場 | 32度 | エキスパートコース | |
シャトレーゼスキーリゾート八ケ岳 | 32度 | アルペンコース | |
小海リエックス・スキーバレー | 32度 | アイガー | |
軽井沢スノーパーク | 32度 | アゼリアコース | |
ふじてんスノーリゾート | 32度 | ダウンヒルEAST | |
丸沼高原スキー場 | 32度 | シルバーコース | |
かぐらスキー場 | 37度 | チャレンジバーン | |
湯沢中里スノーリゾート | 32度 | チャレンジバーン | 「ダイナミックコース」「チャレンジコース」も最大斜度32度。 |
湯沢パークスキー場 | 31度 | チャレンジコース | |
軽井沢プリンスホテルスキー場 | 31度 | アリエスカLコース | |
奥利根スノーパーク | 30度 | ゆきざるコース | 「くらししゲレンデ」も最大斜度30度。 |
ノルン水上スキー場 | 30度 | Aコース | |
舞子スノーリゾート | 30度 | チャンピオンコース | |
湯沢高原スキー場 | 28度 | 青いケシコース | |
富士見パノラマリゾート | 27度 | リンデンゲレンデ | |
白樺湖ロイヤルヒル | 26度 | ジャイアントコース | |
かたしな高原スキー場 | 25度 | もくせいコース | |
アサマ2000パーク | 25度 | DIVING | |
マウントジーンズ那須 | 25度 | ワイルドウッドロード | |
たんばらスキーパーク | 25度 | トライアルコース | |
ハンターマウンテン塩原 | 25度 | NEW MADISON | 最大斜度が同じ「F.D.R」は全長が2倍ほどで、平均斜度は2度小さい18度。 |
黒伏高原スノーパーク ジャングル・ジャングル | 24度 | E1コース | |
佐久スキーガーデン パラダ | 23度 | ビバーチェコース | |
カムイみさかスキー場 | 21度 | ナイアガラコース |
※本記事内の情報は、すべて2021年12月時点のものです。
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……こ、こんなにすごいコースがたくさんあるの……? これはちょっと、無理かなぁ……
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確かに、今のまるちゃんにはまだ早いかもね。たとえ滑れたとしても、学べることは少ないんじゃないかな
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もっと練習して、うまくなってからチャレンジしなさい、ってことね
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そのとおり。こういうコースは将来の目標だと思って、焦らず腕を磨いてね!
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