ブランクからの復活!おすすめのスキー場はどこ?
スキーは長く続けられるスポーツですが、仕事や家庭などさまざまな事情で趣味に使える時間が減り、スキー場がら足が遠のいてしまうこともあります。それが短期間なら復帰もしやすいのですが、長くなってしまうと「大丈夫かな?」という不安な気持ちが強くなってしまうのではないでしょうか。
実際には、スキーを再び始めることはそれほど難しくはありません。近年のスキー場の来場者データからも、スキーに再挑戦される方が多いことがわかります。ただ、やはり身体は年齢によって変化しています。そのため、いくつか気をつけたいポイントも出てきます。
今回はそうした注意点や復帰の際の疑問点をまとめつつ、久しぶりのスキーに向いているスキー場もご紹介します。
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今は毎年スキー場に行けるけどさ、そのうちなんとな~く忙しくなっちゃって、いつの間にか滑りに行かなくなったりするのかなぁ?
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そうね、気がついたら10年ぐらい滑ってない…なんてこともありそうだわ。そうなったら、もう復帰は無理かしら?
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そんなことはないよ。長いブランクを越えて、上手に滑ってる人たちは多いからね。すこしずつカンを取り戻していけば大丈夫さ!
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それって、けっこう大変じゃない?何かポイントみたいなものがあれば、教えてほしんだけど……
ブランクがあってもスキーはできる?
・多くの場合、
以前の感覚を徐々に取り戻せる。
・
焦りは禁物。
ごく簡単な復習から初めよう。
スキーを初めたばかりの頃、とても苦労された方は、「あの頃でも大変だったのに、今の自分にできるだろうか?」と不安に思われるかもしれません。
しかし、そうして努力して身につけたことは、身体の中にしっかりと刻まれています。
自転車や水泳、あるいは学生時代の部活で経験したようなスポーツもそうですが、しばらく離れていたものに再び触れた時、「意外なほど身体が動いてくれる」という経験は、決して珍しいものではないでしょう。感覚を取り戻すまでの時間に多少の個人差はあるとしても、まったく思い出せないということはないはずです。
とはいえ、最初から以前と同じような滑りに挑戦するのは無茶というもの。現在のレベルを正確に知るために、基礎に近い部分から復習していきましょう。
特に注意したいポイントは?
・身体能力の低下に、どう対処するかがカギ。
・転んだ時や、その直前の負担が問題になることも。
プロテクターも有効。
筋力や体力(持久力)がある程度落ちていることを、まず考えなくてはいけません。
筋力の低下は技術を磨くことでカバーしましょう。「力まかせの滑りから、技術を活かした滑りへの転換」という新しい目標を得られた、と前向きに捉えることもできます。
持久力が以前よりも下がり、疲れやすくなってしまっていても、休憩時間を長くしてペースを守って滑れば大きな問題は起きません。避けたいのは、「疲れを自覚できずに滑り続けてしまう」という状況です。身体が慣れてくるまでは、あらかじめ(休憩を含めた)行動予定を決めておくというのも一つの手でしょう。
スキーだけでなくスポーツ全般から遠ざかっていた場合は、とっさの反応や柔軟性も少々心配です。無理に踏ん張らず、安心して転べるように、ヒッププロテクターなど身体を守るアイテムの使用も検討してみましょう。
昔のスキー板やブーツは今でも使える?
・古いものは
性能低下や破損が心配。
・現代のスキー用具は、科学技術の発達によって扱いやすくなっている。
以前購入したスキー用具がある場合、復帰の際はそれを使いたくなるかもしれません。
ですが、スキー用具には適切なメンテナンスが欠かせません。もし長期間放置し、古びてしまっているなら、無理に使わない方が良いでしょう。滑りづらいだけなら我慢もできますが、万が一滑走中に破損するようなことがあれば大変です。
また、現代のスキー用具は昔のものより高性能で扱いやすくなっています。人間の身体に劇的な変化が無いにも関わらず、さまざまなスポーツの記録が更新され続けている理由の一つは、科学によるサポートです。陸上競技のシューズや水泳の水着などと同様に、スキー用具に対しても、常により良くしようという工夫が行われています。
そのため、「当時の扱いにくいスキー板ではうまく滑れなかったが、最近の板では思うように滑れた」といった声もよく聞かれます。思い出深い品の場合はつらいところですが、ゼロから再出発した方が結果的にうまくいくことが多いでしょう。
レンタルでも大丈夫?
・レンタル品でも、
練習段階なら困らない。
・レンタル料金も、たとえば
スキーツアーのように安くする手段はある。
スキー用具一式を新たに買い直すのは少々大変です。しかし、それで復帰をあきらめる必要はありません。レンタルという方法があるからです。
いわゆるスキーブームの頃には、スキー用具は購入・持参が基本という空気もありましたが、現在はレンタルを最大限に活用した「手ぶらでスキー」というスタイルも珍しいものではなくなっています。
ただし、レンタルも回数を重ねれば大きな金額になります。うまく滑れた感覚を忘れないうちに、二度三度と続けて滑りに行こうと思うと、思った以上の出費になる可能性もあります。
そのような場合には、キャンペーンなどレンタル料金を安くできる方法を探してみましょう。おすすめはレンタル付きの格安スキーツアーです。これならレンタルだけでなく交通費・リフト券代も安くなりますから、スキー旅行全体の費用を減らすことができます。
復帰のためのスキー場を選ぶ際のポイントは?
久しぶりのスキーの舞台には、さまざまな思い出があるスキー場や、多くのファンを持つ大規模スキー場を選びたくなるかもしれません。ですが、そのスキー場があまり復帰に向いていない可能性もあります。
どのようなスキー場なら復帰しやすいのか、重要と思われるポイントを見てみましょう。
練習のできる初級コースの多さ
・「急がば回れ」の精神が復帰への近道。
・練習に飽きてしまわないよう、
初級コースが豊富なスキー場を探そう!
どれほど自信があったとしても、いきなり高難易度のコースに挑戦することはおすすめできません。焦ってケガをしてしまえば、ますますスキーから気持ちが遠ざかってしまいます。安全を第一に考え、「今の自分に何ができて、何ができないのか」を確認してから、慎重に先に進む方が良いでしょう。
ただ、基礎の練習・確認というものは、どうしても退屈になりがちです。「ごく短いコースが1~2本だけ」といった中~上級者を主なターゲットにしたスキー場では、すぐに飽きてしまうかもしれません。
逆に、多彩な初級コースを持つスキー場を選べば、気分を変えながら練習を続けることができます。かなり練習が必要かもしれないという自覚がある場合は、特にこの点を重視して選んでいきましょう。
アクセスのしやすさ
・アクセスが良ければ、思い出したことを忘れてしまう前に、
また練習に行ける。
・「最初の一歩」の踏み出しやすさ
という点からも、アクセスの良い所がおすすめ。
スキー場へのアクセスの良さは、二つの意味で重要です。
一つ目は、「練習を繰り返すため、頻繁に通っても苦にならない」ということ。カンを取り戻すには、練習の回数を増やすのが一番です。一度行くだけで疲れてしまうようなスキー場に何度も通うのは大変ですが、気軽に行ける所なら、短期間で腕を磨き直すこともできます。
そして、もう一つは「最初の一歩のハードルの低さ」です。
到着まで手間や時間のかかるスキー場へ行こうとすると、車でも電車でも、そこまでの移動方法を細かく考える必要があります。さらに宿泊が前提になるような場所なら、準備の手間はもっと増えてしまいます。
そうなると、せっかく燃え上がっていた「もう一度スキーをしたい!」という気持ちも冷めてしまうかもしれません。ですから、気持ちが盛り上がっている間にすぐ行けるということは、とても重要です。
難しすぎない中級コース
・初級コースを十分滑れそうな場合は、中級コースの数も重要。
・「ほぼ上級」のような中級コースばかりの所は、なるべく避ける。
復帰にかかる時間を「平均的にはこれぐらい」と言うことはできません。休んでいた時期が短くても、なかなか思うように滑れないこともありますし、その反対に、思った以上に早く滑り方を思い出せることもあります。
こればかりは実際にスキー場へ行くまでわからないのですが、スキー以外のスポーツを続けている場合など、何かうまくできそうな自信があるなら、中級コースの数も評価の対象になります。
理想は初級・中級が大半のスキー場ですが、初級・中級・上級がバランスよく用意されているスキー場でも、コースの総数が多ければ候補にできます。ただし、中級コースと言っても、一つのスキー場の中で難易度に違いはありますし、「この辺りから中級」というラインはスキー場によって違います。
ざっくりとした数字で気になるスキー場をいくつかに絞れたなら、それぞれのコース説明をチェックしながら選びましょう。
復帰におすすめの人気スキー場
以上のポイントを踏まえ、スキー場での再デビューや練習に向いているスキー場を選んでみました。まったく自信が無い方から、「おそらくそれなりに滑れる」という方まで、それぞれに合ったスキー場をご紹介します。
カムイみさかスキー場 (山梨県)
中央道の八王子インターから約80分という、気軽に行ける近さが魅力の「カムイみさかスキー場」。中央道は関越道よりも混雑しにくいため、実際の走行距離よりもさらに近く感じられるかもしれません。
300~500m級のコース5本で構成されたコンパクトなスキー場ですが、自分の滑り方を思い出し、現在の状態を確認するという目的なら十分です。最も傾斜のきつい「ナイアガラコース」でも、一般的なスキー場の中級レベルですから、復帰当日から無理をしすぎるという心配も無いでしょう。
佐久スキーガーデン パラダ (長野県)
「佐久(さく)スキーガーデン パラダ」は、現在国内で唯一の高速道路直結型スキー場です。上信越道の佐久平スマートインターから大型エスカレーターで直接入場できるため、移動の手間は非常に少なめ。
初級コースは高速道路側の「南パラダ」エリアに1本、反対側の「北パラダ」エリアに3本用意されています。残りは上級1本・中級2本という、初級者を重視した構成ですから、「上級者が多すぎて、周囲の視線が気になる」ということもありません。
場内には天然温泉の露天風呂「みはらしの湯」もあり、帰宅前にサッと温まれます。
軽井沢プリンスホテルスキー場 (長野県)
車ではなく、新幹線でのスキー旅行を考えているなら、「軽井沢プリンスホテルスキー場」も外せません。
東京駅から軽井沢駅までは、北陸新幹線で最短約60分。軽井沢駅からスキー場への移動も無料の送迎バスで約1分(※徒歩でも10分程度)と、実にスムーズ。何度も通って練習を繰り返しても、この部分でストレスを感じることは無いでしょう。
全10本中の5本が初級コースという構成で、練習中も場内のあちこちを滑ることができます。滑りに納得ができたなら、全長1,000mの中級コース「パノラマコースへ」。滑走の爽快感と共に、美しい景色も楽しめます。
GALA湯沢スキー場 (新潟県)
人気が高すぎるため混雑しやすく、場内の構造もやや複雑という気になる点もあるものの、新幹線でのアクセスを最重視するなら、駅直結型の「GALA湯沢スキー場」が一番です。
初級から上級までをほぼ均等にそろえたバランス型ですが、コースの総数が全16本と多いため、初級コースは5本あります。そこに2本の初・中級コースを加えれば、初期の練習場所は7本に増えます。
新幹線の停車駅から、別の電車やバスに乗り換えずにゲレンデに向かえるのは、やはり便利です。来場者の少ないタイミングを狙って、練習に行きましょう。
舞子スノーリゾート (新潟県)
新潟県や長野県のスキー場の中には、首都圏から離れた場所にあるものも少なくありません。
しかし、この「舞子スノーリゾート」がある越後湯沢エリアは群馬県から新潟県に入ったばかりの所ですし、最寄りインターからの所要時間も約1分と非常に短いです。そのため、比較的通いやすいスキー場と言えるでしょう。
三つのエリアの中にコースが26本もある大規模なスキー場ですが、初級コースの半分以上は「舞子」エリアに集中しています。そのため、練習時に場内の移動で悩むことはありません。また、「まず舞子エリアで自信をつけ、次のエリアへ」というわかりやすい計画を立てることもできます。
野沢温泉スキー場 (長野県)
温泉地のスキー場はスキーへの復帰に向いています。よく温まれば筋肉痛の改善も期待できますし、もし予想以上に滑れなかったとしても、冬の温泉旅行として楽しめるからです。
そうした温泉地に造られたスキー場の代表として、ここで取り上げるのは「野沢温泉スキー場」です。
40本以上のコースを持ち、10,000mの連続滑走も可能な大規模スキー場ですから、「数日かけて身体を慣らしていく」という形でも、飽きずに挑戦できます。疲れを感じてきたら、無理せず早めに切り上げて温泉街へ。13ヶ所の外湯めぐりで、気持ちをリフレッシュしましょう。
※本記事内の情報は、すべて2021年2月時点のものです。
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あれ……?もう一度スキーを始めるのって、思ったよりも難しくない…のかな?
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うん、『安全に気をつける』『無理をしない』っていう心がけを忘れなければ、大きな問題は起きないと思うよ!
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そうなると、あとは気持ちの問題よね。今よりも大人になったら、やっぱり勇気とか冒険心みたいなものは減っちゃうでしょ?
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そうなんだよね。復帰のための一歩を踏み出す決心は、簡単にはできないかもしれない。でも、心の中にスキーへの情熱や興味が残っているなら、ぜひ挑戦してほしいね!
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