滑れない・滑りたくない時はどうすればいい?_スキー場でのすごし方5選
人は自分の好きなことを、大切な人にも好きになってもらいたくなるものです。ですからスキー・スノボ経験者が、家族や友人と楽しく遊ぶために、あるいは恋人とのデートのためにスキー旅行へ行きたくなるのは、ごく自然なことと言えます。
しかし、その旅行に誘われる相手やメンバー全員が、同じようにスキー・スノボに積極的とは限りません。そのため「スキー旅行に誘われて悩んでしまう」方や、その逆に「誰かを誘いたいが、ためらっている」方も多いのではないでしょうか。
実際には、スキー場を訪れる人々がみな華麗な滑りを見せているわけではありません。それ以外にもスキー場で楽しむ方法はいろいろとありますから、「上手に滑れないから、スキー旅行に行ってもつまらない」ということはないのです。
スキー場での具体的な楽しみと、それに向いているスキー場はどこなのかを、まとめて解説します。
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大勢でスキー旅行に行こうとするとさ、その中の何人かは滑れなかったり、滑りたくなかったりすること、あるよね?
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あるある!今、ちょうどそれで悩んでるとこ!
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せっかくだから友達みんなで滑りに行きたいんだけど、滑れない子を無理に誘うのも、なんだか悪い気がしちゃって……
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でも、それで仲間はずれにするのもかわいそうだよね。だから、今日は『全力で滑る』以外のスキー場での楽しみ方を考えてみよう!
スキー旅行のメンバーのタイプは?
さまざまな魅力を備えた現代のスキー場は、寒い季節にしか遊べない特別なテーマパークのようになっています。ただ、一般的なテーマパークのアトラクションは来場者に特別な能力や努力を求めないものがほとんどですが、スキー場でのスキーやスノボにはある程度の練習や運動能力が必要となります。
スキー旅行に誘う予定のメンバーを見た時、すでにスキー・スノボが上手にできる方や、未経験でもやる気に満ちあふれている方ばかりなら、このことはなんの問題にもなりません。しかし、そうでない方にとっては参加をためらう大問題です。その理由はざまざまですが、今回はざっくりと、以下の3タイプに分けて考えていきます。
「無関心」タイプ
スキー・スノボにまったく興味が無い方や、それ以外のものも含めた運動全般に苦手意識があり、興味を持てない方です。
「興味と不安」タイプ
スキー・スノボへの興味はゼロではないものの、不安を感じて踏み出せない方。「練習・挑戦をしてみたい」という気持ちがある場合はここに入ります。
「軽い経験者」タイプ
多少のスキー・スノボ経験があり、最低限滑れる方。滑れないわけではなく「積極的に滑りたくはない」というタイプです。
「本格的に滑る」以外のスキー場での楽しみ方
スキー場でできることはいくつもありますが、「無関心」タイプの方は、どちらかと言うと身体への負担の少ないものの方がうれしいのではないでしょうか。たとえば、現地でのグルメや雪の世界の観光、さまざまな効能を持つ温泉への入浴といったことです。
残り2タイプの方は、身体を動かすものも積極的に候補に加えて考えることができます。基本的には、スキーやスノボよりも気軽に挑戦できる各種アクティビティがおすすめです。現時点では滑れなくても、滑りたいという気持ちを持っているなら(あるいは、現地で雪に触れているうちに芽生えたなら)、基礎レベルの練習をしてみるという選択肢もあります。
グルメ
「無関心」「興味と不安」「軽い経験者」タイプの方におすすめ!
スキー・スノボという大きな目的があるものの、スキー旅行も普段の街から遠くへ出かける「旅」ですから、その土地ならではの素材や独自の料理を味わうという、旅ならではの喜びも存在します。スキー場へ向かう途中の店や宿泊先などでもそうした味に触れることはできますが、スキー旅行の場合、ゲレンデでの食事という楽しみも加わります。
かつては選択肢が少なく、「ゲレ食」という言葉にマイナスのイメージが含まれていた時代もありましたが、現在は食事にとても力を入れているスキー場が多く、そのゲレンデでなければ食べられない名物料理も次々と生まれています。
体力自慢のスキーヤーやボーダーに愛されている大盛りメニューに挑戦したり、雪に覆われた世界を見ながら優雅なティータイムをすごしたり、大きなフードコートで軽食を食べ比べたりと、非日常の雰囲気も気分をより楽しくしてくれるでしょう。
観光
「無関心」「興味と不安」「軽い経験者」タイプの方におすすめ!
雪深い地域の方には笑われてしまいそうですが、そうでない地域の人間にとって、厚く降り積もった雪はやはり珍しく、好奇心を刺激する存在です。それに手で触れたり、足で踏んだ時の感覚は、スキー場の写真をいくら眺めても得られないものです。このような「非日常の空間を見る・体験する」という旅のおもしろさも、スキー旅行にはしっかりと備わっています。
麓側でも雪景色や雪そのものに触れることはできますが、より良い眺めを求めるなら、やはりスキー場の上部、つまり山頂方面がおすすめです。ロープウェイや雪上車など、移動手段そのものも独特で、自然とワクワクしてきます。リフトに乗るという体験も、普段の生活の中ではありえないことでしょう。
そうしてたどりついた地点で目にするのは、思わず呼吸を忘れてしまうような絶景です。富士山をはじめとした有名な山の連なりが自慢のスキー場もあれば、雲海が眼下に広がるスキー場もあり、一度経験すれば他のスキー場にも足を運びたくなるはずです。
温泉
「無関心」「興味と不安」「軽い経験者」タイプの方におすすめ!
冬に日本を旅するなら、温泉は欠かせないという方も多いでしょう。雪の積もるような寒い屋外でも、意外に汗をかいてしまうほど身体を動かすスキー・スノボは、温泉との相性も抜群です。
そのため、人気の温泉地と一体化したスキー場は各地に存在しますし、エリア内で新たな温泉が生まれることもあります。敷地内に入浴施設を持つスキー場もたくさんあり、この場合は離れた宿や日帰り入浴施設に行かなくても、すぐに汗を流すことができます。
通常はスキー・スノボのための時間を確保し、温泉には残りの時間で入浴することになりますが、まったく滑らないなら滞在時間の大部分を温泉に回すこともできます。冬の雪国ですから、露天風呂からの景色はとても風情があります。内風呂でも大きなガラスが用意されている所なら、同じように美しい雪景色を楽しめます。
また、「美人の湯」や「美肌の湯」と呼ばれるような温泉もあり、単なる気持ちよさ以上のものも期待できます。
スキー・スノボ以外のアクティビティ
「興味と不安」「軽い経験者」タイプの方におすすめ!
スキーやスノボが上手にできるようになるまでには、それなりの時間と努力が必要ですが、スキー場にはもっと簡単に雪の上を滑る感覚を味わえるアクティビティも用意されています。
「スキー・スノボにいきなり挑戦するのは難しそう」と考えている「興味と不安」タイプの方の最初のステップとしてもおすすめですし、「軽い経験者」タイプの方にとっても、スキーやスノボに対する興味を取り戻す良いきっかけになるかもしれません。
たとえば、車輪の代わりにソリとキャタピラーが付いたバイクのような「スノーモービル」は、バイクや自転車に乗るという日常的な動作の延長として受け入れやすいのではないでしょうか。そうした二輪車よりも安定感があり、(スキー場内という公道以外の場所を走るため)免許も不要ですから、すぐに雪原を疾走できます。
ゴム製の巨大な浮き輪のようなものに乗って、雪の斜面を滑る「スノーチュービング」にもシンプルなおもしろさがあります。ファミリーでの旅行なら親子で乗れるタイプが楽しいですし、大人ばかりのスキー旅行でもコースがややハードなものを選べば、予想以上の驚きと喜びが得られます。
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簡単な練習
「興味と不安」タイプの方におすすめ!
スキー・スノボに憧れや興味があるなら、実際に練習をしてみるのが一番です。しかし、たとえ旅行メンバーのスキー・スノボ経験者(=家族や友人など)から的確なアドバイスをもらえたとしても、一人で努力を続けるというのはなかなか難しいものです。自由自在に滑っている人々と現在の自分を比べてしまうと、やる気も次第に薄れてしまうかもしれません。
そのような理由でスキー旅行への参加をためらっているなら、スキー場のスキースクールやスノーボードスクールが役立ちます。あなたの身体能力や状況をよくわかっている家族や友人の指導も決して悪くはないのですが、教えることを職業としているプロの講師は、やはり経験の量が違います。また、自分と同じように努力している仲間の姿も、心の支えになるでしょう。
厳しいコースで自分の限界に挑むのもおもしろいのですが、練習用ゲレンデですこしずつの上達に大きな喜びを感じるのも、立派な楽しみ方です。
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グルメや観光におすすめのスキー場はどこ?
すでにスキー旅行の目的地となるスキー場が決まっている場合は、限られた選択肢の中からどのように楽しむかを考えることになります。しかし、まだ決まっていないなら、一番重視したい楽しみ方に向いているスキー場を選ぶ(または意見を出す・相談する)こともできます。
スキー場を選ぶ際のヒントとして、グルメからスクールまで、それぞれの方面に特徴のあるスキー場をご紹介します。
グルメ
石打丸山スキー場 (新潟)
「石打丸山スキー場」は、親子3代で通っているという熱心なファンも見かける老舗のスキー場です。強力なライバルの多い新潟県の湯沢エリアの中で支持され続けている、この本格的なスキー場は、場内に24もの飲食店を持っています。単純に数が多いだけでなく、食べられる料理が多彩という点も評価が高く、繰り返し滑りに行っても食べ飽きることがありません。
苗場スキー場 (新潟)
同じ湯沢エリアにある「苗場スキー場」も、食事の選択肢は豊富です。ゲレンデにも麓の苗場プリンスホテルにも飲食ができる店舗が大量にありますし、さまざまなメニューを集めた大きなフードコートも用意されています。すこし贅沢に食事を楽しみたい場合は、こちらのスキー場もおすすめです。
シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳 (長野)
スイーツにこだわりたい方は、「シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳」を訪れてみてはいかがでしょう。
こちらは洋菓子やワインの製造・販売で知られるシャトレーゼのスキー場です。コース数など、スキー場としての部分は石打丸山スキー場や苗場スキー場よりおとなしめですが、レストランで食べられる料理やスイーツのレベルは高く、場内の直営店でお土産としてケーキなどを買うこともできます。
観光
蔵王温泉スキー場 (山形)
「蔵王温泉スキー場」の最上部には、大きな樹氷エリアがあります。この樹氷原の中を滑るコースは蔵王温泉スキー場の目玉の一つですが、スキーやスノボができなくても、ロープウェイや雪上車を使って最上部へ向かい、樹氷を見ることができます。
樹氷だけ、あるいはそれプラス温泉という目的でこの地を訪れる方も少なくありません。快適な空中散歩が魅力のロープウェイと、雪山を力強く登る感覚が楽しい雪上車、どちらを選んでも楽しい経験になるでしょう。
菅平高原スノーリゾート (長野)
より首都圏からアクセスしやすい、長野の「菅平(すがだいら)高原スノーリゾート」でも樹氷は見られます。樹氷エリアは根子岳(ねこだけ)の一番上にあるリフト終点からさらに上の山頂部分ですが、もちろんこの地点から歩いて登る必要はありません。こちらも雪上車に乗り込み、安全に往復できるようになっています(※山頂部分からの滑走も可能です)。
軽井沢プリンスホテルスキー場 (長野)
絶景以外の要素で観光を考えるなら、「軽井沢プリンスホテルスキー場」もおもしろい候補となります。こちらのスキー場は北陸新幹線・軽井沢駅のすぐそばにあり、駅の目の間は軽井沢・プリンスショッピングプラザという大きなショッピングモールになっています。スキー旅行のついでに、ここでのショッピングや冬の軽井沢散策を楽しめるというわけです。
温泉
野沢温泉スキー場 (長野)
温泉だけが目的でも十分楽しいとよく言われるのが、「野沢温泉スキー場」への旅行です。野沢温泉には共同浴場が豊富にあり、毎回違う気分での入浴を楽しむことができます。スキー場も100%天然雪で規模が大きく、中級者以上のメンバーが目立つグループでも不満が出ることは無いでしょう。
赤倉温泉スキー場 (新潟)
長野と競い合うスキーの国、新潟では「赤倉温泉スキー場」がおすすめです。こちらは高難易度のコースが少ないため、「興味と不安」タイプの方が練習の先のステップに進んだり、「軽い経験者」タイプの方がゆったりと滑るのにも向いています。
白馬八方尾根スキー場 (長野)
最後は少々特殊なパターンです。「白馬八方尾根スキー場」がある白馬エリアは、純粋な温泉地ではありません。しかし、複数の泉質の温泉があり、エリア南部のスキー場へ行く場合には、さらに南に接する大町温泉郷を拠点とすることもできます。
ここでは代表として中心部の白馬八方尾根スキー場の名前を出していますが、実際には温泉郷に近い南部や比較的混雑しにくい北部も含めた「白馬エリアのスキー場」すべてがおすすめです。白馬エリアはその雪質の良さによって全国のスキーヤー・ボーダーから高く評価されている場所ですから、旅行のメンバーに中~上級者が多い場合は、とても有力な選択肢となるでしょう。
スキー・スノボ以外のアクティビティ
軽井沢スノーパーク (群馬)
滑りやすいコースが多く、小さなお子様のための配慮もしっかりと行われている「軽井沢スノーパーク」は、ファミリーにとても人気のあるスキー場です。
ここでは「ジェットチュービング」と呼ばれる、全長約150mのチュービングに挑戦できます。対象年齢は4歳から大人までとなっていて、カーブや高低差に驚かされる雪上のジェットコースターのような感覚を誰もが楽しめます。
水上高原スキーリゾート (群馬)
「水上(みなかみ)高原スキーリゾート」は、東京からのアクセスが良い群馬県の水上エリアにあります。ここでは、専用コースを周回する体験プランと、インストラクターに導かれて敷地内を走るプランが用意されています。
スノーモービルに乗ることのできるスキー場は多いのですが、この水上高原スキーリゾートや苗場スキー場のようにインストラクターとのツーリングが可能なスキー場は限られています。スキー場選びの際は、この点も要チェックです。
戸狩温泉スキー場 (長野)
最後は、「雪ちゃり」と呼ばれるアクティビティに挑戦できる「戸狩(とがり)温泉スキー場」です。
野沢温泉スキー場の近くにあり、麓の温泉も評価が高いスキー場ですが、現時点(※2020年)ではまだ他のスキー場で体験できないという「雪ちゃり」も魅力の一つと言えるでしょう。通常よりも太く、雪に沈みにくいタイヤと、それを支えられる専用ゲレンデが組み合わさり、「雪の上を自転車で走る」という変わった体験を実現しています。
簡単な練習
斑尾高原スキー場 (長野)
30本以上の多彩なコースを持つ大規模なスキー場「斑尾(まだらお)高原スキー場」では、専用コースでの「スノボ初心者無料レッスン」が行われています。内容は用具のチェック・装着などの滑るための準備から始まり、リフトの乗り方や簡単な滑り方までとなります。
上手に滑るための技術ではなく、あくまでも基礎を学ぶためのものですが、「安全な転び方」など大切なポイントを漏れの無いように教えてもらえます。
舞子スノーリゾート (新潟)
このような無料レッスンが受けられるスキー場は他にも存在します。たとえば、三つのエリアに初級者から上級者まで楽しめるコースが配置されている「舞子スノーリゾート」などは、レベルや経験がバラバラのグループにおすすめしやすいスキー場と言えます。
かたしな高原スキー場 (群馬)
一方、両足が1枚の板に固定されてしまうスノボよりも多少簡単とされるスキーでは、このような無料レッスンの話はあまり聞きません。別の方向で他との違いがあるスキー場を考えると、「かたしな高原スキー場」の名前が思い浮かびます。
こちらは、現代では珍しい「スキー専用(=スノボでの滑走不可)」のスキー場です。普通のスキー場の場合、練習専用の安全なエリアでスキーの基礎を学んでから一般のコースへ出ると、背後から来る予測しにくい動きのボーダーに驚かされることがあります。全面的にスノボでの滑走が禁止されているこのスキー場なら、その心配をせずに滑ることができます。
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なるほど~。『どうやったら滑ってもらえるかな?』とか『スノボのおもしろさをわかってほしい!やればわかるのに!』って思ってたけど、そこにこだわらなくてもよかったんだね!
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うん、無理に滑らせる必要なんて全然無いんだ。誘う方も誘われる方も、『滑らないとダメ』とか『普通に滑れるようにならないとつまらない』っていう考えから離れることができれば、こういう悩みも無くなるんだろうね。
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それなら、温泉に入ったり、おいしいものを食べるついでにスキーやスノボもできちゃう旅行……くらいの感じで、誘ったり参加するといいのかしら?
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そうそう、それぐらいの軽い気持ちでいいんじゃないかな。みんなで旅行するだけで、とってもいい思い出ができるからね!
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