スキー保険7社の料金・内容を調べてみました
スキーもスノボも、安全に注意すれば幼い頃から楽しめるスポーツです。しかし、スキー場には「周囲の人々」と「自然」という予測できない要素がある以上、どれだけ気をつけても、転倒によるケガや、衝突によって相手を傷つけてしまうリスクをゼロにすることはできません。
あらかじめスキー・スノボ保険に入っておけば、そうした万が一のトラブルにも備えることができます。
今回は、スキー場へ行く前に加入を考えたい7社のスキー・スノボ保険の内容(※対象・保険金の額・保険料など)を詳しくご説明します。
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ベルくんは、いつも『スキー・スノボ保険をかけた方がいい!』って言うけどさ、せっかく保険をかけたのに何も起きなかったら、損したような気分にならない?
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……まあ、『ちょっと損したかな』とは思うよ。でも、その逆のパターンを考えてみて。もし保険をかけていない時に、何か大変なことが起きちゃったら――
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……こっ、怖ぁ~い……! その時の後悔は、絶対『ちょっと』なんかじゃすまないわ……!
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だよね? だから、スキー場へ行く時は、保険のことをちゃんと考えてほしいんだ。いい機会だから、あらためて説明するね
スキー・スノボ保険の特徴
以前はスキー・スノボに関するトラブル「だけ」を対象とした純粋なスキー・スノボ保険も販売されていましたが、現在はそのかわりにスキー・スノボのトラブル「も」対象とした旅行保険やスポーツ・レジャー用の障害保険が「スキー・スノボ(向けの)保険」として販売されています。
このような現在のスキー・スノボ保険と、一般的な生命保険の大きな違いは、「他の人にケガをさせてしまったり、物を壊してしまった時の賠償金を負担してくれる」ということです。さらに、ほとんどの保険には、「事故を起こしてしまった相手との示談交渉の代行」というサービスも含まれています。当事者同士の話し合いというのは難しいものですから、専門家が代行してくれるのは助かります。
また、普通のケガだけを想定した保険では「救援費用」を「事故で帰宅できなくなった時に、親族が現地へ迎えに来るための費用(=現地までの交通費や宿泊費)」と考えています。そのため、支払われる金額は比較的少ないのですが、スキー・スノボ保険では、この金額が100~500万と多めになっています。
人の少ない場所やコース外で事故を起こし、動けなくなってしまった場合、その捜索には人手も時間もかかります。もしヘリコプターが出動するようなことになれば、100万円以上請求されることもありえますから、このような金額になっているわけです。
大切なボードやスキー板が壊れてしまったり、盗まれてしまった時のための補償(「携行品損害」)も、多くのスキー・スノボ保険に用意されています。ただし、「携行品=持ち物すべて」ではなく、スマホに代表されるような高価で壊れやすいものなど、対象外となる品物もあることに注意しましょう。
最後の違いは契約期間です。1年単位での契約が基本となる生命保険に対し、スキー・スノボ保険には「旅行1回」や「1日」といった単位で契約できるものもあります。繰り返しスキー場へ行くなら、年・月単位の保険に冬の間だけ加入するとお得ですが、1シーズンに1~2回しか滑らない方には、このような1日ごとや旅行ごとの保険が向いています。
おすすめのスキー・スノボ保険
現在加入できるスキー・スノボ保険の中から、代表的な7社の情報をご紹介します。
保険金額だけでなく、加入条件や契約単位などの違いにも注意してご覧ください。
PayPayほけん ちょこっと保険
ちょこっと保険 スキー保険・スノーボード保険プラン
補償内容 | スモールセット | ミディアムセット | ラージセット |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | ― | 100万円 | 200万円 |
傷害入院(日額) | 1,000円 | 1,500円 | 3,000円 |
傷害通院(日額) | ― | 750円 | 1,500円 |
日常生活賠償 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
救援者費用 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
保険料(月額) | 本人型:320円 夫婦型:410円 家族型:590円 |
740円 1,190円 2,060円 |
1,250円 2,110円 3,800円 |
※手術保険金 入院中:入院日額の10倍 通院中:入院日額の5倍。
以下、特に記載の無い場合はこれと同じです。
※基本的に、日常生活賠償は5,000円・携行品損害には5,000円または損害額の10%に相当する額のうちいずれか高い方などの自己負担額が設定されています。
PayPayほけんの「ちょこっと保険」は、以前は「Yahoo!プレミアム(※毎月の利用料が必要)」の会員だけを対象としたサービスでしたが、2016年7月からは支払い用の「Yahoo!ウォレット(※無料)」に登録すれば、誰でも利用できるようになっています。
最も保険料の安い「スモールセット」には、「死亡・後遺障害」と「傷害通院」の保険金はありませんが、すでに生命保険に加入している場合は、(同じ補償の保険金はどれか一つしか支払われないため)こちらのセットがお得になります。
この3種類のセットはサンプルのようなもので、申し込みの際に各種金額をさらに細かく修正することもできます。
au損保
ケガの保険 日常の事故
補償内容 | ブロンズ | シルバー | ゴールド |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
入院保険金日額 | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
通院保険金日額 | ― | 500円 | 1,000円 |
手術保険金 | 1万円または2万円 | 2万円または4万円 | 3万円または6万円 |
個人賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | ― | ― | 30万円 |
救援者費用 | ― | 100万円 | 100万円 |
入院一時保険金(3日以上の入院時) | ― | ― | 2万円 |
保険料(年額) | 月払い:毎月410円 一括払い: 4,450円 |
830円 9,090円 |
1,530円 16,650円 |
au損保の「ケガの保険 日常の事故」は、スポーツに限らず幅広いケガを扱う保険です。一括払いでの割引と熱中症補償もあるため、冬限定でなく1年間の利用も考えられます。
保険料の最も安い「ブロンズ」には「救援者費用」がありませんが、短く緩いコースばかりの小さなスキー場で滑るなら、救援者費用が必要になることは少ないでしょう。
また、「携行品損害」があるのも「ゴールド」のみですが、レンタルを利用する場合はレンタル料金に保険料が含まれていることが多いため、そこまで気にならないかもしれません。
なお、auと携帯電話やインターネットなどの契約をしていなくても、この保険に加入することはできます。
三井住友カード
ポケット保険 スキー・スノーボードコース
補償内容 | Sサイズ | Mサイズ | Lサイズ |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
傷害入院(日額) | 1,000円 | 2,000円 | 3,000円 |
傷害通院(日額) | 500円 | 1,000円 | 1,500円 |
個人賠償責任 | 1億円 | 1億円 | 1億円 |
携行品損害 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
救援者費用 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
月額保険料 | 本人型: 610円 夫婦型: 940円 家族型:1,580円 |
1,120円 1,870円 3,340円 |
1,640円 2,800円 5,090円 |
「ポケット保険」は、三井住友カードの会員だけが利用できるサービスです。
「携行品損害」から下がPayPayほけんとよく似ているのは、どちらも三井住友海上の自由設計が可能な保険を元にしているためです。
こちらも「Sサイズ」などの、あらかじめ用意されている内容に手を加え、たとえば「個人賠償責任」を2億円に変更する、といったことができます。他社とほぼ同じ内容にすることも可能ですが、これはプロが最適と考えたサンプルですから、いじりすぎればバランスが崩れるかもしれません。
素の状態で比較した場合、こちらは必要以上にコストダウンを考えていない、スタンダードな構成と言えるでしょう。
エポスカード
エポラク傷害保険
補償内容 | お手軽セット | オススメセット | 充実セット |
---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
傷害入院(日額) | 500円 | 1,000円 | 2,000円 |
傷害通院(日額) | 250円 | 500円 | 1,000円 |
個人賠償責任 | 1億円 | 2億円 | 3億円 |
携行品損害 | 10万円 | 10万円 | 10万円 |
救援者費用 | 100万円 | 300万円 | 500万円 |
保険料(月額) | 本人型: 490円 夫婦型: 720円 家族型:1,160円 |
760円 1,210円 2,080円 |
1,160円 1,920円 3,410円 |
エポスカード会員が利用できる「エポラク傷害保険」も、中身は三井住友カードなどの保険と同じもので、気になる部分は変更することができます。その際には、それらの会社の設定している保険金額を参考にすると良いでしょう。
ベースとなる三つのセットのうち、「お手軽セット」は「傷害入院」「傷害通院」の金額が少ないかわりに、保険料はリーズナブル。最も保険料の高い「充実セット」でも入院・通品部分は控えめですが、「個人賠償責任」は3億円と高額になっています。
JCB
JCBトッピング保険 ゴルフプラン
補償内容 | |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 100万円 |
傷害入院(日額) | 1,000円 |
傷害通院(日額) | ― |
個人賠償責任 | 1,000万円 |
携行品損害 | 10万円 |
救援者費用 | ― |
保険料(月額) | 410円 |
※手術保険金 入院中:1万円 通院中:5,000円
「JCBトッピング保険」は、JCBカード会員専用の保険です。プラン名は「ゴルフプラン」ですが、ゴルフとテニス・アイススケート・魚釣り、そして「雪上滑走スポーツ」という形でスキーとスノーボードのトラブルが対象となっています。
(※スキー・スノボと関係が無いため、表からは省いていますが、実際には「ホールインワン・アルバトロス費用」10万円も含まれています)
その特徴は、ずばりシンプル。必要最小限の内容にすることで、月額370円という保険料を実現し、加入のハードルを下げています。
ソフトバンク
スポーツ・レジャー保険(ソフトバンクかんたん保険)
補償内容 | ちょこっと | しっかり |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 150万円 | 200万円 |
傷害入院(日額) | 1,500円 | 2,000円 |
傷害通院(日額) | ― | ― |
個人賠償責任 | 1,000万円 | 1,000万円 |
携行品損害 | ― | 10万円 |
救援者費用 | 200万円 | 200万円 |
保険料(月額) | 560円 | 780円 |
「スポーツ・レジャー保険(ソフトバンクかんたん保険)」は、ソフトバンクとの契約が必須となりますが、すでに契約済みなら通常の保険よりも簡単に利用できます。
「救援者費用」は「ちょこっと」プランでも200万円確保されていますから、場内が広く、対人事故の起こりにくいスキー場や、逆にコンパクトでスピードを出す必要のないスキー場向けと言えるかもしれません。
三井住友海上
1DAYレジャー保険 スキー・スノボ向け
補償内容 | ベーシック | プレミアム |
---|---|---|
傷害死亡 | 200万円 | 300万円 |
傷害入院(日額) | ― | ― |
傷害通院(日額) | ― | ― |
日常生活賠償 | 3億円 | 3億円 |
携行品損害 | ― | ― |
救援者費用 | 150万円 | 250万円 |
傷害入院時一時保険金(4日以上の入院時) | 7.5万円 | 10万円 |
骨折時一時保険金 | 10万円 | 15万円 |
保険料(24時間) | 500円 | 700円 |
※手術保険金 無し
ここまでに登場した保険の大部分の引受保険会社となっている三井住友海上は、自社でもスキー・スノボ保険を販売しています。「1DAYレジャー保険」という名前のとおり、こちらは1日(※利用開始日時から24時間)単位の保険となります。なお、「レジャー」が入らない「1DAY保険(=自動車保険)」とは別物です。
目を引くのは日額500円のベーシックでも3億円という、高額な賠償保険金です。「後遺障害」には対応していませんが、「傷害死亡」は200万円、「救援者補償」も150万円とその他の保険金もやや高めに設定されています。2~3泊すると保険料が高くなってしまうものの、日帰りや1泊2日の場合は忘れずに比較したい保険と言えるでしょう。
申し込みは基本的にNTTドコモ・au・ソフトバンク(Y!mobile)のスマホからとなりますが(※PCは不可)、セブンイレブンの店頭でも加入することができます。
スキーツアーで用意されている保険
「何を重視すべきか」「不要なものは何か」「日額型か月額型か」など、スキー・スノボ保険を選ぶ際のポイントは意外と多く、真剣に比較検討し始めると、それなりの時間を取られます。旅行前の貴重な時間を、そのために消費してしまうのは少々もったいないように感じるかもしれません。
そこでスキー市場では、スキーツアーを予約する際、同時に加入できるお手軽な保険をご用意しています。
こちらは1回の旅行(※最長13泊14日まで)を対象とした
Chubb損害保険株式会社
の保険です。
補償内容 | 1泊2日まで | 3泊4日まで | 6泊7日まで | 13泊14日まで |
---|---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 363万円 | 414万円 | 309万円 | 314万円 |
傷害入院(日額) | 3,000円 | 3,000円 | 2,000円 | 1,500円 |
傷害通院(日額) | 2,000円 | 1,500円 | 1,000円 | 1,000円 |
個人賠償責任 | 2,000万円 | 2,000万円 | 2,000万円 | 2,000万円 |
携行品損害 | 15万円 | 10万円 | 10万円 | 5万円 |
救援者費用 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 |
保険料(一回の旅行) | 500円 |
この内容の保険をスキーツアーの予約画面の中で申し込むことができ、しかも保険料はワンコインと格安。宿泊日数が増えても、保険料は500円のままです。
スキー・スノボだけを想定した保険ではないため、「救援者費用」の金額は30万円、「個人賠償責任」も2,000万円と、ここまでに登場した保険と比べれば控えめですが、まったく保険に入っていなければ1円も受け取ることはできません。旅行の準備が忙しく、他のスキー・スノボ保険を検討する余裕が無い時でも、必ず目に入るこの保険だけは考えてみてください。
※本記事内の情報は、すべて2024年10月時点のものです。
加入前に、必ず最新の情報をご確認ください。
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あれもこれも全部そろってる保険が一番良さそうに思えるけど、実は重複してたり、自分にはいらないものが入ってたりすることもあるのね
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そう、そこをうまく考えて、一番お得な保険を選びたいよね。真剣に考え始めると奥が深いよ、保険って
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もし友達に『よくわからない』って言われちゃったらさ、とりあえずスキーツアーの保険をすすめておけばいいかな?
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うん。どの保険にも入らないのは、やっぱり怖いからね。本人も安心して、のびのび滑れるんじゃないかな!
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